回流水槽 自作 その1 試作
回流水槽とは?
ルアーフィッシングをする方なら回流水槽と聞いてピンとくる方もいると思いますが大半の人は「なにそれ?おいしいの?」状態だと思います。風洞実験なら聞いたことがあるかもしれません。クルマや飛行機などの空気抵抗をしらべる実験のことですが「回流水槽」とはざっくり言えばその水バージョンと思って構いないかと思います。
風洞実験と違うのは水をぐるぐると回す必要があるという点と空気のような気体とは違い水は縮んだり延びたりしないので制御が難しいのです。本来の回流水槽は船の動きなど流体力計測や物体周りの流れの観察するという崇高な目的があるのですが私は単にルアーがどのような動きをするのか見たいというだけ。風呂場までもっていってルアーを引いた方もいると思いますが正直もうしたくないし、上からしか見られないので自作できないかとずっと考えて試作品を作ってみることにしました。DIYなら安く済みますしね。
うまくいくかどうかは知りませんが・・・
回流水槽完成のイメージ
回流水槽のDIYではパイプを使用した本格的なものもありますが今回は簡易的にする予定。試作イメージは上記の通り。
- 水を押し出すモーターなどのパワー部分
- 水を誘導するR板
- 水を上下に仕切る
の3つがポイント。3点をふまえた上で試作品に必要な資材を調達。
1.水を押し出すパワー部分
当初は通常のモーターにプロペラシャフトとスクリューをつけるとかいろいろ考えました。水中ポンプを利用した回流水槽をDIYした方もいらっしゃいましたがアマゾンで2,999円で販売されていたウェーブポンプにしてみました。ポンプというよりは水槽内で波をおこすためのものでモーターが1個のものだけでなく写真のようにツインタイプがあり、パワーがありそうでしたのでこちらに決定。
購入してから気が付きましたがこの商品には電源スイッチがないのでコンセントに差し込むと電源が入ってしまいます。スイッチはあとでつけても構いませんが今回は電源タップにスイッチがついているものを利用しました。もともと水槽内で使用することを前提にしているので水槽につける吸盤が付属しています。これで水槽内で固定する手間が省けるのは良かったです。
早速、風呂場で試運転したところかなりいい感じです。モーターが二つということで水量が早くなると思っていましたが早くなるというよりパワフル、多くの水を押し出す、になった感じがします。水量は調整できるとありますが劇的に体感できるほどではなさそうです。
ウェーブポンプの横幅が約12cm、高さが6cm(吸盤部分を除く)だったのでこちらにあう水槽も用意。
水槽はたまたま寄った地元のカインズのセールに60cm水槽があったのでこれに決定。2480円でした。水槽を買うなんて何年ぶりでしょうか?
この水槽のサイズにあわせて他の資材を調達していきます。ここまでで2,999円+2480円=5479円なり。
2.水を誘導するR板
ダイソー ソフトまな板 ホワイト 公式サイトリンクはこちら
たまたま自宅で使っているまな板がソフトまな板(ブラック)で洗い物をしているとふと気が付きました。安くて簡単に曲がり、耐久性もある!と。サイズが20.9cm×32.3cm(厚0.2cm)。水槽の幅が30cmなのでまな板の幅が20.9cmとかなり狭いように見えますがとりあえずの実験なのでそこは目をつむります。
単体だと長さがたりないので4枚ほど購入。そのうち3枚を連結して長くします。この過程は後述します。まな板費用は110円x4個=440円。
3.水を上下に仕切る
まな板を買っているとちょうどジョイントラックがあり、サイズ的にピッタリかと思い決定。
ダイソー ジョイントラック 公式サイトリンクはこちら
- ジョイントラック用棚II型 45x25cm クロームメッキ 330円 x 1個
- ポール(短)25cmクロームメッキ 110円 x 4個
- ジョイントラック用固定部品(黒・4個入)110円 x 1個
を購入。しめて880円。水槽幅30cmに対してラック幅が25cmとこれも少々狭いのですが水槽は30cmのものは入りません。上部は蓋をする場合がありすこし狭まっているので25cmぐらいでちょうどいい感じです。
横も水槽が60cmに対してラックが45cmなのでちょうどいいサイズでした。ここに水をいれると浮力が発生するのでメタルラックだと浮かないので重さもあっていい感じです。
このラックの上に仕切り板をのせるわけですがここでまたまな板が登場。先ほどのソフトまな板ではなく厚みが2mmのすこし固いものにしてみました。
ダイソー 目盛付きまな板 約350×230×2mm 公式サイトリンクはこちら(※リンク先はブラック)
2枚ほど購入してさきほどのジョイントラックにあったサイズにカット。(110円x2枚=220円)厚み2mmなのでカッターで切り込みをいれると簡単に折れます。
ここはラックの幅サイズではなく水槽の幅30cmにあわせたほうが良いでしょう。今回はまだ出し入れするので28cmぐらいと少し短くしてあります。このままのせただけだと水の浮力で浮いてしまうので4角と中央に穴を開けて結束バンドで固定しちゃいます。
R板の作成
まずソフトまな板の3枚に穴を開けてビスナットで連結(写真右側)。左側はステン針金でやってみました。ただしこれだと左側のRが取れなかったので変更。
ソフトまな板の連結を3枚から4枚に変更し、全体でRをつくるように変更。ソフトまな板はやわらかいのでRは作りやすいのですがもとにもどろうとする性質があり、水槽に固定する必要があります。
幸いソフトまな板は引っ掛けの穴が開いていましたのでどっかにあった吸盤で固定。これでRを作ってもやはり水槽内で元に戻ろうとするので底の中心にも穴をあけて吸盤固定すればOKだと思います。今回は割愛しましたが・・・
シマノロールスイマー3.5gを入れてみました。正直少々物足りない感じはありますが試作段階としてOKじゃないでしょうか?
課題
最初の実験から見えてくるのは
- ウェーターポンプの幅が12cmに対して水槽幅が30cmなので勢いがない、かつ上からみると空いた隙間から反転水流がみられる
→ ウェーブポンプを追加するか水槽の幅を狭める必要がありそう
- 水平方向にも反転水流が発生する
R板だけで水が下にいくかと思っていましたが意外と上部に跳ね返ってきているようです。ここはもうすこしいろいろな形状で試してみる必要がありそうです。
水の量を減らしたりといろいろまだ改良の余地はありそうです。どれでも7000円ぐらいで簡易的なものができましたのでとりあえずはOK。それにしても57Lも入る水槽だと重くて持てません。もう少し小さい水槽でやっても良かったかもしれませんね。