消えゆく織都の昭和「桐生の温泉」 ー 桐生史苑第五十九号
渡良瀬川冬季ニジマス釣場もほぼ終了を迎え、渓流解禁前となると行く場所がなく必然的に図書館へ行くことになり、返却日がせまるので書評も増えるこのごろです。ワカサギ釣りに誘われているのですがなかなかその境地に達せず、同行できずじまいです。桐生史苑の記事の中で桐生の温泉がありました。これはすでに紹介しました「桐生の銭湯 ー 桐生史苑第56・57号」(記事はこちら)を書かれた方、八染和弘氏、でした。
数か所に手書きで補足されていました。誰が書いたかはわかりません。
桐生の温泉
桐生歴史文化資料館の企画展として「桐生、大間々の温泉」が開催されていました(記事はこちら)。そのときに紹介されていた桐生・大間々の温泉数は37。
大間々を省いていますので掲載されていた温泉は25か所。桐生さらさは2022年1月末現在閉館していますので営業しているのは梨木温泉と水沼駅温泉センターの2か所のみ。銭湯同様に激減。
記事の構成としては一般的な「温泉(鉱泉)」とは何か?という定義がからはじまり、過去にあった桐生の温泉を紹介しています。紹介は文献を
- 山田郡史(昭和14年発行)
- 桐生市史上巻(昭和33年発行)
- 桐生タイムス「初夢は湯の香漂う桐生のまち」(平成3年1月1日)
- 群馬の温泉医学(屋代周三著 昭和48年発行)
- 上州の温泉(みやま文庫 昭和39年発行)
からとし、その他聞き取りしたものを集めています。※一覧表に記載されている文献の他に「桐生の地誌」(記事はこちら)や「桐生市地名考」も参考とのこと。
高沢鉱泉
自宅のすぐ近くにあった「高沢鉱泉」は前回見に行きました「星落の滝」へ降りられる山荘が跡地だったようです。著者も中には入っていないようなのでわかりません。記事には会社名も書いてありましたがここではご遠慮しておきます。場所は特定できてうれしいのですがたどり着けないのが残念です。
湯山鉱泉
高沢川の上流にある湯山橋のところに湯山を上る道があるので登ったことはあります。たしかに記述にあるとおり、中腹に多少開けた場所はあったのですが「湧出口付近ハ冬季蒸気上リ、雪早ク消ユト云フ(山田郡史)」とはなっていないので場所はわかりませんでした。
梅原鉱泉
鳳仙寺参道左側に入ったところに「梅原鉱泉あるいはジギョウの湯」といわれたらしい。昭和22年のカスリン台風で源泉が埋もれてしまったようで現在、Hotel Actがその跡地とのこと。Hotel Actはいわゆるラブホで2022年1月末現在休業中、去年かおととし(2021、2020年)に売り物件になっていたので覚えています。2000万以下だったような記憶もありますが買えば温泉が手に入ったかもしれません。
「桐生さらさ」再オープン間近?
閉館中の「桐生さらさ」が別会社で再オープンといわれていましたが現実味を帯びてきました
工事の車が駐車場にあったり、スタッフ募集がネットに掲載されていたので噂ではなかったようです。一度閉業してしまうと再開もなかなか大変と思います。過去にあった温泉も復活してほしいものですがながらく休業した施設は難しいのかもしれませんね。