SPレコードを簡単に聞いてみた
音楽も近年ではもはやCDではなくデータ配信、ひいてはサブスクで聞き放題ともはや所有しないで利用する流れが一般的になっています。私も普段はAmazon Music Unlimiterdを利用していてほぼ事足りています。レコード・カセットテープ・CD・MD・データと目まぐるしくメディアはかわり過去のものが現在の形で復刻されつつありますがまだSPレコードのものはサルベージされずのものが多数存在します。今回はSPレコードをもっと簡単にそして安く聞く方法についてです。プロの方からみたら「それはどうよ?」的なものかもしれませんのでご容赦ください。
目次
SPレコードとは
昭和40年後半生まれの私はかろうじてアナログレコード(以下アナログレコードをレコードと呼称)なるものが家にありましたがすでにカセットテープが主流の時代です。といっても音源としてはレコードを購入してカセットテープにおとして普段はこちらで聞くといったスタイルでレコードとカセットテープはいわば両立していました。その後CD等にとってかわりましたが戦前のものを探し始めると「SP盤」とは「SP音源復刻」なるものがキーワードとして出てきてSPレコードの存在を知るわけです。つまり昔の音源に触れようとするとかならずSPレコードが壁として立ちはだかります。同じレコードでもSPレコードとは何が違うのでしょうか?
技術的な説明等はWikipediaにお任せするとしてSPレコードを要約すると
- 78回転(毎分78回転)
- 1950年代後半まで生産(日本では1962年が最後)
- 材質がプラスチック・ビニールではない(LP/シングルレコードとは異なる)
ということらしい。この3点が現在においてSPレコードを聴きづらくしている点です
※詳しくは下記を参照
レコード(wikipedia)
SPレコード(wikipedia)
78回転のレコードプレーヤー ION Audio Superior LP
LPレコードは33回転、シングルレコードは45回転なので通常のレコードプレーヤーはこの2種類にしか対応していないものがほとんど。つまりSPレコードを聴くためのレコードプレーヤーが限定されてしまうことを意味します。
ネットで調べるとDJ用のレコードプレーヤーやDENONのDP-400、DP-450USBなどもありますがプレーヤーだけで数万から9万近くしてしまうので気軽に購入はできません。そんな中、「レコードプレーヤー 78回転」とキーワードを入力するとあまり聞いたことがないメーカーでたくさん商品がでてくることに気が付きました。
その中でION Musicというメーカーを選びました。私も初めて聞いたメーカーですが
ION Audioは2002年に設立されたアメリカ合衆国ロードアイランド州カンバーランドに本社を置く非上場の家電メーカーで「inMusic」ブランドのひとつ。Bluetoothオーディオ製品、ターンテーブル、電子楽器、変換製品の設計・製造を行っています。多くの製品がアナログオーディオプレーヤーとアナログ/デジタルコンバーター(ADC)の組み合わせを軸しているようです。(※一部サイトで「イギリスのカンバーランドに本拠地」とありますが誤植と思われます)
その中でも「Superior LP」を選んでみました。
Amazon 楽天
理由は簡単でレコード、カセットテープ、CD,ラジオと様々なメディアに対応していながらBluetooth接続やUSB再生・録音ができるという点が決めてです。もちろん78回転も対応してます。
届いたときは少々安っぽさを感じましたが19,800円という価格を考えれば十分です。78回転だけに条件を絞ればもっと安いのはあるようですがCDプレーヤーもすでにうちになかったのでオールインワン仕様にしました。
78回転必須アクセサリー 交換針 SPレコード専用 PT01-RSSP
Amazon 楽天
ここで忘れてはならないのはSPレコードを聴くのであればノーマルの針ではなくSPレコード専用針に交換する必要があります。なぜ専用針が必要なのか簡単にいえばSPレコードは溝の幅と深さが違います。
SPレコードを聴くプレーヤーが蓄音機メインだったころはレコードへあたえる針圧が強く、ノーマル針の材質がサファイヤに対してダイヤモンドになっています。専用針がないと聞けないのかというとそうではありません。いちおうノーマル針でも音はでますが音質は当然悪くなります。
高級機種だとカートリッジをモノラルに変更すると思いますがこの機種はカートリッジの変更ができないようなのでこのままとします。
SPレコードの入手先
SPレコードの入手先はすでに絶版なのでヤフオクやメルカリなどの中古品サイトやオークションが主体です。美盤や出自がはっきりしているものは比較的高額ですが未分類かつ程度が悪いものは安く手に入ります。
私はまとめて〇〇円といった在庫処分的な扱いのもので入手しました。100枚で送料含めて1万弱ぐらいでした。そのかわりこちらでクリーニングと分類が必要です。
SPレコードのクリーニング
レコードのクリーニングはLP/シングルレコードと同じやり方でやってはいけません。材質がことなるため盤面を侵してしまいます。クリーニングについては専用クリーニングキットがでているようですが現在模索中です。中性洗剤がいいという記事がありましたので今のところはこれでやっています。
SPレコードの材料が天然樹脂を使用しているため(天然有機物を使用しているという意味)カビが生えやすいといわれています。ただでさえ湿気が多くカビが生えやすい古い我が家はこれから対策が必要な時期になってきます。さてどうしたものか?
ION Audio Superior LPのレビュー
SPレコードに限っての感想ですが価格のわりには期待していたよりはよいと思います。お金をだせばもっといい音が楽しめるのかもしれませんがちょっと試してみたいというレベルであれば可。USB録音が標準で装備されているのもGOOD。強いてSPレコード再生時の問題点をあげるとすれば
- SPレコード専用針の存在が最初わからなかった
公式サイトでは掲載がなく、公式直販サイトのみに載っていた - 回転数が遅い気がする
※レコード盤の問題なのか機器のせいなのかは不明ですがものによっては回転が遅くなる箇所がある - オートリターンがあてにならない
オートリターンで聞いていると途中で止まるケースがある。盤によって異なるので常にマニュアルでかけることになる。
いずれにしてもレコードプレーヤーでかけて聞くということは今の視聴スタイルでは稀であり、結局データとして聞くことになっています。初めてのSPレコードとしては良いのではないでしょうか?