桐生模型学校 その8 - 静岡ホビーショーと全日本模型ホビーショーの違い

第59回静岡ホビーショー

静岡ホビーショーと全日本ホビーショーの違い

2021年の静岡ホビーショーはコロナのために開催されるのか危ぶまれていましたが開催自体は行われることになりました。しかしながら業者日のみの開催で合同展示会などの一般公開日が設けられなかったのは残念です。前回の記事でホビーショーについての概要は書きましたが今回は年2回ある模型業界の大イベント、「ホビーショー」の静岡と東京開催の違いについて説明します。年2回といわれますが簡単にいえば主催者が違うため特色が異なります。違いを明らかにするこで模型業界の実態も浮き彫りすることができます。

静岡ホビーショー
主催 ー 静岡模型教材協同組合
開催日 ー 毎年5月
開催場所 ー ツインメッセ静岡
公式サイト https://www.hobby-shizuoka.com

全日本模型ホビーショー(全日本ホビーショーは以下東京ホビーショーと記載します)
主催 ー 日本プラモデル工業協同組合
開催日 ー 毎年10-11月ぐらい
開催場所 ー 東京国際展示場(東京ビッグサイト)
公式サイト https://hobbyshow.co.jp

主催が「静岡模型教材協同組合」と「日本プラモデル工業協同組合」になりますが一般の方には違いがよくわからないと思います。

静岡模型教材協同組合

聞きなれない名称ですが「ウォーターライン」を買われた方はこの「静岡模型教材協同組合」に聞き覚えがあるかと思います。沿革は静岡ホビーショーの概要欄に「静岡模型教材協同組合」のページ(こちら)があるので参照してください。沿革にありますが当初は1955年(昭和30年)、下記の5社で発足。

1.静岡教材社(シズキョウ)
2.長谷川製作所(現ハセガワ)
3.青島文化教材研究所(現青島文化教材社、通称アオシマ)
4.静岡理工社
5.渥美産業(ASK)

良く1956年(昭和31年)に4社が参加
6.田宮模型教材社(現タミヤ)
7.フジミ模型
8.今井商店(今井科学またはイマイ)
9.富士模型教材社

いまでこそホビー業界は「プラモデル」が主力となっていますが当時は木製キットメーカーも参加しており、木製からプラスチック製へ移行する時期に発足しています。その後、フジミの脱退、イマイ倒産などで現在はタミヤ、アオシマ、ハセガワの3社のみとなっています。静岡ホビーショーは静岡模型教材協同組合が主催ではありますが「日本プラモデル工業協同組合」も参加するので東京ホビーショーと同じく参加するメーカーが重複。静岡と東京ホビーショーに出展するメーカー(細かい参加メーカーに違いはあれども)に大差がなく似たようなイベントになるわけです。

静岡ホビーショーの特徴

ツインメッセ静岡

静岡ホビーショーの大きな特徴としては

・自治体(静岡市)
・自衛隊

との連携で地元の大イベントとして開催されることにあります。近年ですと地元の小中学生を招待したり、先着で模型をプレゼントしたりしています。一般公開日になると渋滞も発生するほどの賑わいになります。その反面、主催者の意向が強く反映される傾向にあります。具体的には

・新規参入、参加のハードルが高く明確な参加基準がない
 具体的にはアカデミーやトランぺッターに代表されるような日本メーカーのコピー品を扱うピットロード、ウェーブ、インターアライドなどのメーカー参加締め出し。
 ※フジミ模型は(たしか)トランぺッターのコピー品であるMPCの強襲揚陸艦ワスプを自社ブランドで発売しようとして逆鱗にふれたと聞いています。(のちモノクローム販売となる)
 しかしトランぺッターの別ブランドであるホビーボスを輸入販売する童友社はお咎めなしだったりする
 エアテックスが同じエアブラシ・コンプレッサーを販売するタミヤとグンゼ産業(現クレオス)から反対されたとか、マルシンを締め出して別場所で他メーカーと商談会をしているところマルシン以外のメーカーをホビーショーに参加させてマルシンの商談会を事実上やめさせるなどの例。

・主催者の意向が強く反映される
 具体的にはタミヤの意向といっても過言ではありません。会長が静岡ホビーショーのことを「俺のホビーショー」と公言していたり、バンダイがかつて企画したバクシードに参加しようとするメーカーに圧力をかけるなど法的にどうのこうののレベルではなく行ってしまうことがあります。バクシードにいたっては各メーカーのお偉いさんが集まる中、かつてのミニ四駆を引き合いにだして「今まで誰のおかげで儲かったんだ」と発言したと聞いています。ことの良しあしは別にしてこうした強権発動はプラスに転じることも多々あり、昨年の静岡ホビーショーを早い段階で中止としたのは好例です。しかしながら意にそぐわないものを排除するというのも事実ではあります。

いずれにしても田宮俊作氏が立志伝中の人であり、静岡ホビーショーはタミヤホビーショーといっても過言ではないほどの影響力をもっているという点は紛れもなき事実です。

東京ホビーショーの特色

東京ビッグサイト

東京ホビーショーの主催者は「日本プラモデル工業協同組合」となります。静岡ホビーショーの静岡模型教材協同組合が

・静岡ホビーショーの企画、開催
・ウォーターラインの販売

を目的にしているのに対し

・プラモデルメーカーの相互扶助
・プラモデル産業の発展、経済的地位の向上

を目的とし、プラモデル見本市の企画運営を事業としています。静岡という地域を限定していないことから静岡模型教材協同組合の新組合員が長らく増えないのに対して若干ながらもファインモールド、コトブキヤ、プラッツなど新規で組合員になっています。いずれも組合員前から地道な活動をしていることが前提ですがニチモ、ナガノなど脱退員がいる反面、新メンバーが加えられることは長期的な目でみれば業界にとっても良いことです。

「静岡」という呪縛がないためフィギュアメーカーなどホビー業界に関わるさまざまなジャンルからの出展していることが最大の特徴でしょう。さまざまな試みを行うという側面を強く感じます。その背景には「東京ホビーショー」は「静岡ホビーショー」と比較されるのも要因と思います。静岡は地元の一大イベントですが東京は人口が多い反面、イベントが数多くあり、どうしても数あるイベントの一つとして埋もれがちになる傾向があります。実際入場者数にも表れており、

平成27年(2015年)の東京ホビーショー来場者は約43,000人に対して静岡ホビーショーは約82,000人となっています。
※入場者数は「日本模型新聞」等が公表していますが購読していないためこちらのサイト(ラジコンもんちぃより)、静岡ホビーショーは静岡市サイトの政策評価シート(PDFはこちら)から引用

このような入場者数が静岡より少ないということもあって様々な取り組みを制限ある中で行っているものと思われます。静岡の場合は自治体や自衛隊などの政治的なつながりもありますのでメーカーを増やす方向ではあまり考えていないのかもしれません。

まとめ

静岡ホビーショーと東京ホビーショーの違いを述べましたがあくまでも業界話しなので一般公開日に見に行くだけなら違いはあまりありません。もしメーカーとして出展したいということであれば静岡ではなく東京のほうがベターでしょう。2021年の東京ホビーショー(第60回全日本模型ホビーショー)の開催日が掲載されていましたね。

会場 東京ビッグサイト青海展示棟Aホール
日時 業者招待日 2021年9月24日(金)
   一般公開日 2021年9月25日(土)ー9月26日(日)

第60回全日本模型ホビーショー日程

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