桐生模型学校 その12 - ホビー通販 キャンセルの対応

前回は通販についてさわりを書きました。通販も書き出すとかなり長くなるので他のサイトで述べられているようなことは省略してホビー通販ならではのものをトピックにしていくことにしました。今回のテーマはズバリ「キャンセル」です。

ホビー通販におけるキャンセルの原因は?

ホビー通販の大半を占める「予約」。まずこれがキャンセルを引き起こす最大の原因です。在庫品であったり、取り寄せであれば早くて当日発送、取り寄せで入荷まで長くてもだいたい1週間程度であれば注文がキャンセルされる確率はかなり低い。なかには電話で注文しておいて10分後に電話でキャンセルしたいという猛者もいましたが・・・

予約注文の場合、発売まで数か月先でさらに発売延期も重なるとざらに半年~1年後ということも珍しくありません。注文してから時間が経つと「予約したときは欲しかったがもういらなくなった」「他所のほうが安かった」などの理由でキャンセルを希望するお客様は一定数存在します。むろん、転売される方にいたってはなおさらです。

しかしホビー業界の仕入は取引先にキャンセルや返品ができないためまるまる店舗の損失になります。他のお客様へ販売できればラッキーですがキャンセルしたいという商品が他の方へ売れるという確率は少ないのが現状です。

アマゾンや一部店舗では入荷前のキャンセルを受け付けるとしているところもありますが大半は「キャンセル不可」としているのはそのためです。

キャンセルのパターン

店舗での予約の場合、どうしても普段から顔を見ているのでキャンセル不可としていれば心理的にキャンセルしずらい雰囲気があります。しかしネット通販だと非対面なのでキャンセル希望をいいやすい雰囲気があるのかもしれません。お客様からみれば初めてのキャンセルでも店舗側は統計的にキャンセルが分類できてきます。なんと入院される方の多いことか。キャンセルされる方を分類すると下記のような感じです。

  • キャンセルしたいと希望してくるケース
    理由はさまざまで「金銭的に買えなくなった」、「入院することになった」、「子供が勝手に注文した」など真偽はわかりませんが店舗からすれば嘘だろとはいえないような内容でキャンセル希望してきます。それでも事前にいってくれるだけかなり良心的と思います。大手通販はわかりませんがだいたい事情を聴いて初回であればキャンセルを受けるのが一般的になっているのではないでしょうか?
  • 連絡がつかなくなるケース
    メールを送っても電話しても連絡がつかなくなるケースです。支払い済みなら(店舗側にとっては)よいのですが入荷後のお支払いや代引きの場合はほぼキャンセルの可能性が高くなります。本来、代引きは購入者側にとって不利益を被らないような制度のはずなのですが代引きの制度を悪用してキャンセルしようとする人は一定数いらっしゃいます。最近ではイエローサブマリンのように「代引き」不可とする販売店もでるなど対策が必要なほど。
  • 発送後に配達できず戻ってくるケース
    店舗側にとって一番最悪のパターンです。発送および返品の送料を負担して商品仕入れ代金のロス、そしてそれに関わる無駄な業務となります。代引きの場合は「受け取り拒否」という形が多いですね。

店舗でも万引き被害が2%を超えるとヤバイといわれるぐらいですから通販におけるキャンセルは結構深刻なものです。お客様に商品を届けようというプラスの努力は頑張れますがお客様を性悪説にのっとって対処するものほど嫌なものはありません。私は購入した商品を転売する・すべきでないという議論にはあまり参加する気はありせんが商品を売る・買うという行為の中でまれに仁義を欠いた方がいるのも事実です。こうした方とは関わらない方策をとるのは店舗にとっても通常のルールを守られている他のお客様の双方にとってメリットはあると思います。

「キャンセル不可」でもキャンセルしてくる

なら「キャンセル不可」にすればいいじゃんと簡単に感じますがどのお店でも「キャンセル不可」と記載または説明をしても必ずキャンセルしてくるお客様がいます。規約を読んでないのかそれとも「キャンセル不可」であってもキャンセルできる風潮を知っているのかはわかりません。家電量販店の通販サイトやメーカーサイトでも同じようにキャンセルを希望しているのでしょうか?私見ですが個人商店や小さい店なら受けてくれるだろうという憶測があるのではないでしょうか?小さいところほどひとりあたりの仕事量が多いのでキャンセルの電話で数十分もかけてしまうと正直仕事にならなくなります。キャンセルできないとお伝えしても1時間ぐらい粘られるとたまったものではありません。まだ店舗での対面なら次回の来店を期待したりできる面もあるのでできるだけ努力もできますがネット通販の電話の場合、いかに自分の主張を通すかという点に集中されるのでご説明をしてもなかなかご理解いただけないようです。ネット通販の場合、アマゾンのように電話応対は原則おことわりにしたいと思う状況です。

キャンセル不可といいながら「キャンセルを繰り返した場合、今後の注文をお断りすることがあります」という矛盾した記載をすることがあります。この文言は実情を表した良い例です。

キャンセルを防ぐ手立て

キャンセルを100%防ぐ手段はありませんが減らすことは可能です。中にはお客様へのサービスを一部なくすこともありますが環境はかわっていきますので問題のない範囲での提言です。

  • 入荷数の少ない商品については御用聞きで予約してもらう
    現在、ネット通販では難しいと思いますが入荷数の少ない商品をネット通販した場合、こうした転売できそうな商品だけを予約する人がでてきます。長期的にみるといつも買ってもらう常連さんは買えなくなるためお店にとってもメリットがありません。店舗なら「予約しませんか?」という御用聞きをスタッフが判断してできますがネットだとシステム的に難しい。AI技術が発達すればお客さまの購買からランク付けして関連商品の予約を他のお客様に公開する前に受注できるようになるかもしれません。入荷数の少ない商品だけを予約する方は転売する方とは限りませんがキャンセル率が当然ながら上がります。このようなシステムが一般的になれば店舗とお客様の双方にとって良い関係が作れるので将来に期待したいところです。
  • 「代引き」「銀行振込」などをの支払い決済をやめる
    従来はこうした決済方法を多くもつことが通販の常道ですがキャッシュレスもすすんだ現在においてクレジットカードやその他電子決済で十分ではないでしょうか?代引きの場合、受け取り拒否以外にも住所不明になった時、保管期間経過で返品されるのは代引きのご注文です。(しかも代引きは運送会社による荷物の転送ができません)事前決済支払い済みの場合は99.9%受け取っていただける反面、代引きの返送率はかなりのものになります。クレジットカード普及率が低かった時代ならお互いメリットはありますが今となっては店舗側のリスクだけが残る決済方法だと思います。中には信用できない店舗かもしれないという不安もあるかと思いますがそもそも信用していない店舗で購入はしないほうがいいのではないでしょうか?
  • 入荷直前に連絡する
    先ほどの代引きと関係することが多いのですが予約から発売まで数か月かかることが多いので発送連絡した後に住所がかわったという方がいらっしゃいます。代引き後の住所変更は荷物の返送ができませんのでキャンセルされる可能性が高まります。発売直前あるいは発売月になったら自動で入荷予定を連絡できるシステムがあるとこうしたトラブルを事前に軽減できます。代引き以外なら荷物転送はできますのでやはり代引きをやめたほうが解決しやすいのかもしれません。
  • メールが返ってきていないかを確認
    最近では会員登録するためには入力したメールアドレスに確認をおこなってから登録完了の流れが一般的になりつつありますがそれでもメールアドレスが返ってきた場合に対処したほうがのちのちトラブルにはなりません。メールが届かない場合や電話連絡がつかない場合は店舗側から一方的にキャンセルする旨をどこかに記載しておけば問題はありません。やはり早めの対処が必要です。
  • 予約時に請求する
    全額でなくとも予約注文の一部金額をデポジットとして支払ってもらう方法です。引取り時にこの金額をお返しして支払ってもらう方法は店舗では可能ですがネット通販のシステム上難しいと思います。なぜかホビー通販では予約時の請求ではなく発送時の請求が通例となっています。他の業界では予約時の請求が一般的になっているのにもかかわらずです。その理由として請求したが商品が入荷しなかった、あるいは入荷数が不足することが多いため予約時に入荷の確約ができないという事情があるからだと思っています。お支払い済みをキャンセルしたいという方はいませんので効果的かと思いますがかなりリスクがある手法になってしまいます。お客様側の視点から見た場合、キャンセルしたいというのはまだ支払いをしていないという状態が助長させてしまうのでしょう。

キャンセルを防ぐ最大の方法「キャンセル する場合の ルールをつくってしまう」

いろいろと「キャンセルを防ぐ方法」書きましたが実はキャンセル抑止に最も効果的だったのは「キャンセル不可」とせずに「キャンセルする場合のルール」をつくることでした。具体的には

発送前の商品をキャンセルする場合は
・予約商品の半分を請求
・キャンセル手数料を一律2,000円
・いかなる理由であっても上記2点の合計金額を請求します
※発送後のキャンセルの場合は往復送料を加える

と記載したところウソと思うほどぱったりキャンセル依頼がなくなりました。(それでも代引き受け取り拒否などの課題は残したままでしたが)「キャンセル不可」と書いてもキャンセル依頼はくるし、スタッフにキャンセル依頼をすべて断るようにするのは心情的にも難しいため逆の発送でキャンセルルールをつくったところほぼなくなりました。実際にはこのルールを適用したことはほぼありませんし、仮に請求したとしても通常のシステムでは対応できないためかなり面倒なことだと予想していたため運用ができないだろうと感じていました。あまりにもひどい方には請求するかもしれないと予想していましたがそのようなこともなく結果的に良かったと思います。まれに依頼があっても上記のルールを説明するとキャンセル依頼をキャンセルする方もいらっしゃいました。

上記のルールは各店舗さまで決めるのがいいと思いますがかなり効果的な方法なのでキャンセルにお困りの店舗さまはぜひ検討してみてください。

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